文書作成日:2026/06/09
同一労働同一賃金ガイドライン(以下、「ガイドライン」という)が改正され、10月1日から適用となります。そのため、この改正ガイドラインの適用に向けて、自社の取扱いで問題があるような場合は10月1日までに対応が求められます。以下では、今回の改正の経緯、改正内容のポイントを確認します。
[1]ガイドラインが改正された経緯
同一労働同一賃金の施行から5年が経過したことをふまえ、昨年2月から見直しに向けた議論が行われてきました。また、現在のガイドラインの策定後、正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間の不合理な待遇差に関する複数の最高裁判決が出されたこともあり、その内容を盛り込む形で、ガイドラインの内容の見直しが行われることとなりました。
[2]改正同一労働同一賃金ガイドラインのポイント
今回改正された項目は以下の9つです。現行のガイドラインから記載が充実されたものと、項目として新規に追加されたものとがあります。
- 賞与(記載の充実)
- 退職手当(新規追加)
- 無事故手当(新規追加)
- 家族手当(新規追加)
- 住宅手当(新規追加)
- 福利厚生施設(記載の充実)
- 病気休職(記載の充実)
- 夏季冬季休暇(新規追加)
- 褒賞(新規追加)
これらの中から、新規に追加された退職手当、住宅手当、夏季冬季休暇について、ガイドラインに示されている内容をみてみましょう。
【退職手当】
支給目的には労務の対価の後払い、功労報償等のさまざまな目的が含まれます。これらの目的が妥当するにもかかわらず、パートタイム・有期雇用労働者に対し、正社員との間の職務の内容等の違いに応じた均衡のとれた内容を支給しない場合、不合理と認められる可能性があります。
【住宅手当】
住宅手当が「転居を伴う配置の変更の有無に応じて支給されるもの」である場合、正社員と同一の転居を伴う配置の変更があるパートタイム・有期雇用労働者には、正社員と同一の住宅手当を支給しなければならない。
【夏季冬季休暇】
パートタイム・有期雇用労働者にも、正社員と同一の夏季冬季休暇を付与しなければならない。
[3]見直しに当たって留意すべき点
過去の最高裁判決では、正社員とパートタイム・有期雇用労働者との間に待遇の相違があったとしても、正社員人材確保論から不合理ではないと認められたものがありましたが、改正ガイドラインでは、正社員人材確保論のみをもって、待遇差が不合理ではないと当然に認められるものではないという考えが示されました。待遇差が不合理と認められるか否かは、その待遇の性質・目的にも照らして判断されるものであるとしています。
改正ガイドラインの内容をふまえて、まずは自社の現在の状況を点検しましょう。状況の整理・対応の検討に向けて、お困りごと等ありましたら、当事務所までご連絡ください。
■参考リンク
厚生労働省「同一労働同一賃金特集ページ」
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
- 労災保険特別加入者の給付基礎日額の変更2026/06/02
- 4月から努力義務となった治療と就業の両立支援2026/05/26
- 7月より障害者の法定雇用率が2.7%に引上げへ2026/05/19
- 労働保険の年度更新における注意点2026/05/12
- 活用が広がるマイナンバーカード2026/05/05
- 女性の健康支援に取り組む企業への新たな認定制度2026/04/28
- 36協定を遵守するための実務上の注意点2026/04/21
- 改めて確認したい賃金台帳の備え付け義務とは2026/04/14
- 変更となる健康保険の被扶養者の認定基準とその判断 2026/04/07
- 2026年度から引下げとなる雇用保険料率と今後施行される適用拡大2026/03/31
- 2026年10月1日施行のカスハラ・就活セクハラ防止対策 2026/03/24
- 3月分以降の協会けんぽの健康保険料率・介護保険料率2026/03/17
- 定年退職者と無期転換申込権の発生 2026/03/10
- 雇入時の健康診断に関するよくある誤解2026/03/03
- 女性活躍推進法と2026年4月からの変更内容2026/02/24




















